生成AI時代、キャンバスエッジの「エンジニア成長戦略」——案件の「外」に、成長の場所を作る
エンジニアの成長は、いつの時代も企業にとっての最重要課題の1つです。
とりわけ、お客様先に常駐して開発を担う働き方では、この「成長」というテーマに、少しだけ特有の難しさがつきまといます。今日はその難しさと、キャンバスエッジがそれにどう向き合っているのかを、正直にお話ししたいと思います。
CONTENTS
常駐という働き方の、見えにくい落とし穴
客先常駐は、実務を通じて力がつく、とても良い働き方です。現場のリアルな課題に触れ、責任ある役割を任され、プロとして鍛えられていく。ここに疑いはありません。
ただ、一つだけ気をつけないといけないことがあります。それは、案件に最適化されればされるほど、スキルが「その現場の形」に固定化していく、という現象です。
長く同じ技術スタックに向き合えば、その領域には強くなります。一方で、新しい技術に触れる機会や、ゼロから何かを設計する経験は、意識しないと得にくくなっていく。気づいたときには、「その現場では通用するけれど、外に出ると少し戸惑う」という状態になりかねません。
「それはどんな仕事でも同じでは?」というご意見もありそうですが、ことIT業界においては、状況は更に深刻です。生成AIが登場したことで、スキル固定化のリスクは、以前とは比べものにならないほど大きくなりました。開発のやり方そのものが、数年単位ではなく数か月単位で塗り替えられていく時代です。昨日までの「正解」が、今日には「一つの選択肢」に変わっている。そんな変化のスピードの中では、現場の外で自分をアップデートし続ける仕組みを持っているかどうかが、エンジニアの数年後を大きく左右します。
だから、業務の外に開発の場「サブプロジェクト」をつくった
そこで私たちが始めたのが、社内の有志による自主開発の取り組み——通称「サブプロジェクト」です。
これは、通常業務とは切り離された、私たち自身のためのプロダクト開発の場です。少人数のチームを組み、実務に根ざしたテーマを自分たちで選び、企画から設計、実装、そしてリリースまでを、自分たちの手で進めていきます。
大事なのは、これが「研修ではない」ということです。用意された教材をこなすのではなく、答えのない課題に、本物のプロダクトとして向き合う。ここに、この取り組みのすべてが詰まっています。
私たちが大切にしている、3つのこと
サブプロジェクトを運営するうえで、私たちが意識的に守っていることが3つあります。
答えではなく、課題を渡す
チームに渡されるのは「解くべき課題」であって、「その解き方」ではありません。どんな技術を選び、どう設計し、何を捨てるか。その判断ごと、チームに委ねます。
もちろん、遠回りをすることもあります。うまくいかず、作り直すこともあります。けれど、その回り道こそが、指示された通りに作るだけでは決して身につかない「自分で決める力」を育てていきます。私たちが育てたいのは、手を動かせる人であると同時に、何を作るべきかを自分で考えられる人だからです。AIに代替されない「決断すること」と「責任を持つこと」ができる人材を、サブプロジェクトから輩出したいと思っています。
AIを「使う側」に回る
サブプロジェクトでは、生成AIを使った開発を前提にしています。AIに仕事を奪われることを心配するのではなく、AIを道具として使いこなし、生産性を何倍にも引き上げる——その感覚を、実際のプロダクト開発を通じて体に染み込ませていきます。
AIは、正しく使えば最高の相棒になります。ただし「正しく使う」には、エンジニア側に確かな設計力と判断力が必要です。AIが出した答えを鵜呑みにするのではなく、その良し悪しを見抜き、手綱を握る。この経験を早いうちに積めることが、これからのエンジニアにとって、何よりの財産になると考えています。
一人で作らない
サブプロジェクトは、必ずチームで進めます。役割を分担し、コードを互いにレビューし、プロジェクト自体の管理も自ら行いながら、プロダクトを作り上げます。
技術力は一人でも磨けますが、チームで良いものを作る力——相手の意図を汲む、自分の考えを言葉にする、健全に議論する——こうした力は、チームの中でしか育ちません。そして実際の現場、特に大規模なシステム開発プロジェクトで本当に価値を生むのは、多くの場合この後者の力です。
スキル以上に残るもの
こうした取り組みを約2年間続けてきて、気付いたことがあります。
参加したメンバーが手にするのは、新しい技術の知識だけではありません。0→1 の開発に携わった自信こそが、いちばん大きく残るのです。
その自信は、次の仕事でのエンジンになると考えています。難しい課題を前にしたときの、粘り強さになります。変化の速いこの時代を進んでいくための、社会人としての土台になります。
まとめ
今日の最先端が、明日には当たり前になる。そんなスピードで技術は変わり続けます。だからこそ私たちは、特定の技術に強い人を育てたいとは思っていません。
技術と一緒に変わり続けられる人を育てたい。
目の前の現場に閉じこもるのではなく、その外に成長の場所を持ち、自分の手で未来を選び取っていけるエンジニアと、一緒に歩んでいきたいと思っています。そして、キャンバスエッジはその環境をできる限り多く提供したいと考えています。
今回は、サブプロジェクトにまつわる思想について紹介する記事でした。次回は、実際のサブプロジェクトの運営状況や仕組みを紹介できればと思います。
もし、「自分もこんな場所で力を試してみたい」と感じたなら——ぜひ一度、エントリーフォームからご連絡ください。あなたが変わり続けていくその場所をご用意して、お待ちしております!

記事の監修者
小林 直貴
2022年1月 中途入社。 ITエンジニアとしてキャリアをスタートさせ、業務システム開発などに従事。 2023年10月に人事部に配属され、エンジニア採用を担当。 2026年7月から、Engineering Officeとしてエンジニア組織の成長をミッションとして奮闘中。


