AWSの経験者になるってどうやるの?に対する答え
これまで2回にわたって、社内の自主開発の取り組み「サブプロジェクト」について書いてきました。
今回は、少し技術寄りの話題です。
テーマは、チームに用意している AWS の環境です。
CONTENTS
触らないと身につかない、でも触れない
クラウド系の技術は、ベンダー資格の勉強だけではなかなか身に付きません。
実際に環境を作り、動かし、修正する。
その繰り返しで少しずつ、顧客の求める要件にフィットした提案ができるようになると考えています。
しかし、個人でクラウドに触ろうとすると、意外に壁が多いと思いませんか?
- どれくらい課金されるのかわからず、怖くて手が出ない
- 一人では、本番に近い構成を組む機会がない
- 間違えて何かを壊したらどうしよう、と慎重になりすぎる
結果として「無料枠で少し触ってみた」止まりの方も、たくさんいるのではないでしょうか。
月26万円の請求書
ここで、私自身の失敗談を共有します。
(初歩的な失敗過ぎて恥ずかしいですが...)
私がエンジニアとしてサブプロジェクトに参加していた頃のことです。
開発の中で、Amazon OpenSearch Service を使うことになりました。
よくわからないまま、既定の設定に従ってドメインを作成しました。
「とりあえず触れるようになった!楽しい~!」と思っていました。
翌月、届いた請求額は約26万円。
会社のお金=社員のみんなが稼いだお金、です。
自分1人の勉強代とするには、罪悪感が余りにも大きかったことを覚えています。
この失敗から学んだことは、2つあります。
- 作る前に、設定の中身を下調べすること
- 課金などのアラートを、最初に設定しておくこと
当たり前のことですが、痛い目を見るまでは本当の意味で理解できていませんでした。
会社が用意した、チーム専用の AWS アカウント
その経験があったからこそ、今のサブプロジェクトでは、AWS の環境づくりにこだわっています。
各チームには、チーム専用の AWS アカウントを用意しています。
他のチームや社内の環境とは切り離された、そのチームだけのサンドボックスです。
ここでは、Lambda・RDS・ECS・API Gateway・CloudFront、なんでも実際に立ち上げて試すことができます。
個人の検証環境ではなかなか組まない、本番に近い構成をチームで組めるのが、いちばんの特徴です。
思い切り学ぶための「安全柵(策)」
もちろん、何も考えずに環境を開放しているわけではありません。
過去の失敗を繰り返さないよう、いくつかの柵を立てています。
- 多要素認証(MFA)は必須。MFA なしでは何も操作できないようにしています
- 権限は「閲覧のみ」から始める。必要になったら、必要な人に広げていきます
- 予算アラートを設定。一定の金額を超えそうになったら、すぐに通知が届きます
柵があるからこそ、その内側で思い切り学べます。
「何かあっても、大事故にはならない」とわかっていることが、手を動かす勇気になると考えています。
失敗は経験になる
実際、この環境でも失敗は起きています。
あるチームでは、AWS CDK で初めてのデプロイを試したときのことです。
権限の設定に問題があり、VPC や Lambda などの作成が拒否されてしまいました。
さらに、失敗したものを片付ける処理まで止まってしまい、スタックが ROLLBACK_FAILED の状態に。
原因は、環境を用意する側の私の設定でした。
(チームメンバーではなく私です。またお前か、って感じですが...)
エラーを読み解き、原因を突き止め、設定を直して、最後には作成から削除までを一通り通せるようになりました。
自社の本番環境や客先の環境なら、インシデントになるかもしれません。
けれどサブプロでは、「権限の設定を間違えるとこうなる」という、生きた学びとして、共有することができました。
AWS 未経験のメンバーが、基盤の案を出せる
この環境を用意して、いちばん嬉しかった出来事があります。
AWS をほとんど触ったことのないメンバーが、Claude Code の力を借りながら、自分たちのプロダクトの基盤案をまとめてくれています。
フロントエンドは CloudFront から配信し、API は ECS 上で動かし、データは RDS に置く。
入力の受け口には API Gateway と Lambda を使う。
そんな全体構成を描いたうえで、開発者・Lambda・ECS それぞれに必要な権限を洗い出し、まとめて申請してくれました。
「権限の申請」というのは、それこそ実務では勇気が要ることです。
様々な指摘に対応することを覚悟し、準備をする必要があると思います。
それを、未経験の状態から AI と一緒に調べてやり切ってくれました。
チャレンジできる環境があり、AI という相棒がいれば、未経験から経験者になれる。そう実感した出来事でした。
まとめ
クラウド基盤構築の経験は、エンジニアにとって「MUST」のスキルになっています。
しかし、本番に近い環境で、失敗を恐れずに試せる場所は、個人ではなかなか持てません。
私はある程度の痛みを持って、AWSについて学びを得ました。
(実際に痛んだのは社長です。すみません。)
だからこそ、これから挑戦するメンバーには、過去のメンバーが通った失敗を共有しながら、同等以上の学びを得てほしいと思っています。
キャンバスエッジでは、そのための環境を会社として用意しています。
もし「クラウドを本気で触ってみたい」「安心してチャレンジしたい」と感じていただけたなら、ぜひ一度お話しさせてください。
あなたが安心してクラウドに挑戦できる場所を用意して、お待ちしています!

記事の監修者
小林 直貴
2022年1月 中途入社。 ITエンジニアとしてキャリアをスタートさせ、業務システム開発などに従事。 2023年10月に人事部に配属され、エンジニア採用を担当。 2026年7月から、Engineering Officeとしてエンジニア組織の成長をミッションとして奮闘中。


